10月のおすすめ情報


■10月の新作のご紹介① オーギュスト・ルノワール《フルーツの静物画》

やわらかな光を愛した印象派の画家ルノワール。
1880年代、彼は「ただ美しいだけではない、確かなかたち」を描きたいと願い、古典絵画の技法へと歩みを深めていきました。
カボチャのある静物画は、そんな時期に生まれた一枚。
大地の恵みを前に、彼の筆は、色を重ね、形を探りながら、秋そのものの“ぬくもり“を静かにたたえています。
光と色、構成の面白さ、描くことの楽しさをじっくりと味わってみませんか。

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■10月の新作のご紹介② クロード・モネ《黄昏のサン・ジョルジョ・マッジョーレ》

クロード・モネの《黄昏のサン・ジョルジョ・マッジョーレ》は、イタリア、ヴェネツィアの象徴的な教会を黄昏時に描いた作品です。夕陽に染まる空を背景に、教会のシルエットが黒々と浮かび上がり、水面には光が揺らめいています。
橙から紫へと移ろう色彩は、時の流れとともに変化する一瞬の輝きを見事にとらえています。

モネは対象を正確に描くのではなく、その場の「雰囲気」や「光の印象」を大切にしました。本作ではヴェネツィア特有の湿潤な空気や静けさが色彩の調和によって表現されています。

幻想的な色彩と詩的な雰囲気が融合したこの作品は、モネのヴェネツィア連作の中でも特に人気が高く、今なお多くの人々を魅了し続けています。

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⬛️ 9月の新作のご紹介① オーギュスト・ルノワール《アネモネ》

秋の空気が待ち遠しいこの季節、ルノアールが愛した花「アネモネ」を描く特別な画題をご用意しました。
ギリシャ神話では、愛と美の女神アフロディーテが、失われた恋人アドニスを想って流した涙と血からこの花が生まれたと語られます。
「儚さ」と「再生」を併せもつアネモネは、冬から春にかけて咲き、季節を越えて生命の循環を告げる花。
ルノアールならではの温かみのある色調と、ふんわりとした筆致で描くその姿は、花びらの繊細さと自然の美しさをそっと映し出し、静物画でありながら確かな生命感を放ちます。
キャンバスに咲かせたアネモネをお部屋に飾れば、秋の夜長に心をほどくような、穏やかなひとときを楽しめるでしょう。

 

⬛️ 9月の新作のご紹介② アンリ・マティス《Interior in yellow and blue》

光を抱くような黄色、深い静けさをたたえる青。
アンリ・マティスの《Interior in yellow and blue》(黄と青の室内)(1946年)は、南仏ヴァンスのアトリエで生まれた一枚です。
体調が優れず外に出られない日も窓から差し込む光や部屋を彩る花、テーブルの上のレモン──そんな“日常の美しさ”を色と線に託し、暮らしの中にある喜びを描き続けました。
その色彩は、眺めるたびに心を整え、穏やかな幸福感を運んでくれます。
模写したキャンバスをお部屋に飾れば、朝は爽やかな光を呼び込み、夜はワインとともに心を解きほぐす時間に。
忙しい日々のなかで、ふと視線を向けるだけで“暮らしにアートがある豊かさ”を感じられる一枚になるでしょう。